台風や地震は本当に怖いものです。
被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。
災害に遭われるというのは想像をはるかに超えてつらいことです。
命が助かったとしても目の前には悲惨な状況がひろがっており、しかもその後の生活も不自由になり、苦しみに苦しみを上塗りすることばかりが続きます。
東日本大震災でも同じことが言えますが、我々は、同じ日本国に住む者としてその痛みを分かち合い、苦しみを共有しなくてはいけない存在です。
しかし、私は今より数年前に同じ国民として、とても「情けない」話を耳にしました。
それは、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市に赴いた時、被災者の皆さんの口から出たお話です。
「石巻の漁港は見渡す限り瓦礫の山です。
震災当初は誰も近づくことができませんでした。
水が引き、自衛隊の皆さんが、先ずは特殊車両を通すため、道路の瓦礫を撤去しました。
そのおかげで、早い段階で石巻の港には車の乗り入れが可能になりました。
その日から毎日漁港へ向かう道は大渋滞していたのです。
はじめは、地元地域の人たちが自宅や工場の安否を確認するためにたくさんやってきて渋滞してるのだろうと思っていました。
しかし、地元の人の車は全て流されていて使い物になりません。
自衛隊の車両なら見たらすぐに解ります。
じつは、この渋滞は、石巻港の被災状況を見に来た観光客の車の渋滞なのです。
中には車から降りて、仲良くピースサインをして瓦礫をバックに記念撮影をしていたカップルもいました。」
これは、石巻の漁業関係者の方のお話です。
この話を聞いた時、私はあいた口が開きっぱなしで、ため息が止まりませんでした。
日本国内にも色々な国籍の方がおいでなので一概に日本人だと断定はできませんが、同じ人間として、怒りなのか、悲しみなのか、とても複雑な気持ちになったことを覚えています。
人が人の不幸を笑いに来たのです。
しかも記念撮影って。
これ以上、このお話を続けると「罵詈雑言」の嵐と化すのでここまでで終了させて頂きます。
しかし、非道徳のものたちよ、 その罪はけっして許されることはありません。
心あたりあるかたはどうぞ苦しんでください。
その報いが、そのまま帰ってくることをお祈りいたします。
そして、被災地が少しでも早く元の姿に近づけますように心から神仏にお願い申し上げます。
合 掌
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